東京駅 その2

東京ステーションギャラリーに『前川國男 建築展』を見に行ったついでに
『建築探偵の冒険 東京篇』で気になっていた柱頭をチェックしてみました。
そのほか、1番線の煙突や中央口のガラス飾り、
ホーム階段隅のモールディングなども探して見ましたが、みつかりませんでした。

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5、6番ホームにある開業当時の柱。
『建築探偵の冒険 東京篇』では3、4番線になっていたけど、
その後ホームが増えて、番号がひとつずつずれている。

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コリント式の柱頭飾り。

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柱のほか、木組みの屋根など、昔の面影が残る。

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ゼロキロポスト
4番線と5番線の間にあるブロンズ製のもの。1969年設置。
チェックできなかったけど、ほかのホームにもあります。

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かつては東京ステーションホテルの窓を開けると目の前にホームが見えたはずだが、
1、2番線ホームは高架化されたため、今では機械類がごちゃごちゃと並んでいるだけ。
奥に見えるのがホテルの窓。

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浜口首相遭難現場
実際に浜口首相が狙撃されたのはホームの上だが、
増改築により、今では現場は通路になった。
9、10番線近くの中央通路にプレートと、床に現場のマークがある。

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原首相遭難現場
南口改札を出たところにプレートがある。
こちらも床に現場マークが。

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中央改札口の近く。

東京駅

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東京駅
1914年(大正3年)
設計:辰野金吾

辰野くんの代表作であり、歴史的建造物でありながら、
今なお東京の顔である、東京駅。
全長335mの超横長。
当初は南口は乗車口、北口は降車専用だったが、
さすがに使いにくいということで改められた。
1945年5月25日の空襲により、屋根や天井の一部を損壊。
南北のドームは現在のような角型になり、3階建てから2階になった。
その後、たびたび高層化が検討されたが、10年以上にわたる保存活動のすえ、
1999年、保存・復元が決定。
2003年、重要文化財に指定。
2006年から保存・復元工事が開始され、2011年、完成の予定。
復元後は、創建当時のドーム屋根がよみがえる。

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中央の正面玄関。

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正面玄関は皇室専用なので、一般の立ち入りは禁止。
「柵の中に入らないでください」という看板がある。
現在でも、国賓の出迎えなど特別な場合のみ使用されるだけで、
一般の中央口は正面玄関の横に設けられている。

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正面玄関の横にある駅長室。

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2階は東京ステーションホテルの客室。

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正面に立つ井上勝の銅像。
新橋~横浜間をはじめ、東海道線などを開通させ、
“日本の鉄道の父”と呼ばれた。

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こちらは「愛の像」。
台座に「愛」と「アガペー」の文字が刻まれている。
戦後処刑されたBC級戦犯の遺稿集の販売利益を元に建立。
井上勝像と愛の像は、1969年から始まった地下工事のため、一時撤去、
長い間、国鉄倉庫に眠っており、1987年、再建立された。

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東京ステーションギャラリー入口。
赤レンガの壁がそのままギャラリーの背景として使われていたり、
静かに展示品を見ているとホームの放送が聞こえてきたりするところが
独特の雰囲気があります。

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東京駅南側。

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東京駅南口。
屋根には零戦の廃材を利用したジェラルミンが使われているとか。

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丸の内南口。ここも辰野式。

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丸の内南口横にある東京ステーションホテルの宴会場側入口。

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ここらへんはボロい感じが残ってます。

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南端あたり。2階は東京ステーションホテルの「フランス料理 ばら」。

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さらに行くとこんな感じ。
はとバス乗り場などに使われているようですがボロい。

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東京駅日本橋口(丸の内中央ビル)。

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日本橋口からは日本橋コレドがすぐ近くに見える。
右側のビルも渋くてかっこいいなと思ったら、
前川國男の三井住友銀行東京中央支店でした。

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八重洲口正面に立つ新橋町ビル。

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東京駅八重洲口。
ここらへんは右を見ても左を見ても再開発工事の真っ最中。
この大丸も八重洲広場の再整備に伴い、姿を消す。

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ライトアップ。

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東京ステーションホテル

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東京ステーションホテル
1914年
設計:辰野金吾

東京駅の南半分を占める東京ステーションホテル。
2006年春から修復工事のため休業してしまうので、
その前にと思って泊まってきました。

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正面ロビー。

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ロビーから2階へ続く階段にあるシャンデリア。
元々はここにエレベーターがあったらしく、
高い天井の吹き抜け空間になっている。

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現在のエレベーター。しかし、ゴトゴト音はするし、
1階から2階まで上がるのに、階段を登るより時間がかかる。
壁の赤レンガは創業当時からのもので、
黒い部分は空襲によって梁の木材が焼けて炭化した跡だそう。

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ロビーに展示されている復元後の完成予想模型。

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3階のドームがかつての姿に復元される。
(個人的にはドームがないほうがかっこいいと思いますが、
それは、今の姿を見慣れてしまったせいかもしれません。)

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2階客室廊下。廊下の幅がなぜかすごく広い。

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私の泊まった丸の内サイドのツインルーム。

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窓からは、丸ビルと東京海上ビルが見える。
かつてはここから丸ビルと新丸ビルが並んでいる姿が見えたはず。
地方から来た人にとってすごく東京的な風景だったろうなと思います。

「お部屋の方が、落ちつけますわ。それに、あのお部屋のながめは、
さっきもほんとうに、あれこそ、わたしにはめずらしくって、
すぐ出るのが惜しかったくらい……。」

「灯がだいぶ消えましたのね。」と、市子は言った。
 丸ビルと新丸ビルの窓明りのことだった。
 さっき、村松を誘いに寄った時は、この二階の部屋に、まだ夕日の残りが、
薄くさしこんでいたが、向かいの丸ビルと新丸ビルの窓は、みな明りがついて、
その上の空は、夕雲と夕もやのさかいがないような、やわらかい桃色だった。
二つのビルのあいだに、皇居の森が黒く沈んでいた。
川端康成『女であること』

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東京ステーションホテルと言えばここ。
東京駅丸の内南口を見下ろす2階の窓。

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東京駅丸の内南口のドーム。
2階が廊下の窓。3階が客室。

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「カフェ&バー赤れんが」。
店内はもっと広そうですが、残念ながらお休みでした。

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「赤れんが」横の窓。丸ビルが見える。

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3階廊下。2階と比べると「物置?」というほど狭い。
チェックアウトの時間をねらって、部屋をのぞいて見たのですが、
南口を見下ろす客室はおもしろいけど、泊まるには落ち着かないだろうなという感じ。
室内も屋根裏部屋みたいな雰囲気でした。

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3階客室の窓から見た風景。

「息がつまるわ。窓がないじゃないの?」
「あんの、あんの。その窓がねえ、小母さま、びっくりしやはりますわ。」と、
さかえはベッドから立って、向うの厚いすりガラスの戸を押しあげると、手招きした。
「来とおみやす。乗車口がまる見えでっしゃろ。」
「ほんとだわ。」
 市子はおどろいた。窓の金網から、乗車口が真下にながめられる。
改札口をひっきりなく人の出入りするのが、正面に見える。
 思いがけぬところに、ホテルの部屋があるものだ。乗車口のドオムの裾が
八角になって、それはみな三階の客室の窓である。
「ながめても、ながめても、見あきィしまへんね。一日じゅう、にぎやかに、
人が動いてるさかい……。うちに見られてんの、だれも知らはらへんしね。」

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2階宴会場前の通路。

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宴会場「牡丹の間」。

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宴会場受付。『女であること』ではロビーとして書かれているので
かつてはロビーとして使われていたのかも。

 二階のロビイでは、正面の奥で、花婿花嫁を中心に、
披露宴の客たちがならんで、記念撮影をしているところだった。

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「フランス料理 ばら」入口。
ここのビーフシチューは伝統の味として有名ですが、
時間があわなくて食べられず。

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宴会場受付から南口へ降りる階段。

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夜12時頃の丸の内北口。

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2階の廊下から見た、夜2時の丸の内南口。

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「家出娘がステエション・ホテルに泊まってるなんて、
だれもよう思わへん……。」
「うちのお部屋、三一七……。三階の内側でっせ。お部屋にすっこんでまっさかい、
小母さま、ないしょで連れ出しに来てくれはります?」

丸の内八重洲ビル

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丸の内八重洲ビル
1928年(昭和3年)
1962年(昭和37年)増築
設計:三菱地所
施工:大林組
地上8階・地下1階
鉄骨鉄筋コンクリート造

東京中央郵便局の斜め向かいにある丸の内八重洲ビル。
尖塔と1階の石積が味のある、すてきな建物ですが、
2004年3月、三菱地所は隣接する三菱商事ビル、古河ビルとともに、
丸の内八重洲ビルを建て替え、三菱一号館を復元する計画を発表しました。
三菱商事ビル・古河ビル・丸ノ内八重洲ビル建替計画

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塔部分アップ。

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塔を横から見たところ。
一見、シンプルな建物ですが、さりげない装飾が随所になされています。

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三菱一号館は、三菱商事ビル(左)、古河ビル(右奥)をあわせた敷地に建設。
2006年着工、2009年竣工予定。

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大名小路側から見た正面。

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レリーフが見事な正面エントランス。(クリックすると拡大します)

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大名小路側。左は三菱商事ビル。

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部分アップ。

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地下1階には期間限定でギャラリーが運営中。

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1階の石積みのおかげでここだけ落ち着いた雰囲気のある通り。

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古河ビルとの間にある狭いスペース。
かつては車道だったらしいが、現在は行き止まり。

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微妙に色が違って格子のようにも見える外壁。
1983年に外装改修、1989年に天然石外壁リフレッシュ工事が行なわれている。

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左に東京中央郵便局、その先右に丸の内八重洲ビル。
この風景も近い将来なくなる。

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三菱一号館は1894年(明治27年)に建設された丸の内最初のオフィスビル。
設計はジョサイア・コンドル。
1968年に取り壊され、1970年に三菱商事ビルが建設されました。
戦後まで残っていた三菱一号館を取り壊し、
さらに丸の内八重洲ビルを取り壊し、かつての建物の形だけなぞったものを
復元することにどれほどの意味があるのか疑問です。
現在、公開されている復元予定図では、三菱一号館らしき建物の後ろに
お約束の超高層ビルが建っています。

多少、遅すぎる気もしますが、10月11日、日本建築家協会は
三菱地所に保存要望書を提出しています。
「丸の内八重洲ビル」の保存活用に関する要望書


東京中央郵便局

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東京中央郵便局
1031年(昭和6年)
設計:吉田鉄郎(逓信省営繕課)
施工:銭高組、大倉土木

東京駅の正面左側に立つモダンな建物。
シンプルゆえに見逃してしまいがちですが、ちょっと気をつけて見ると
そこらへんの建物とはまったく違うかっこよさがあります。

日本の伝統的木造建築がもつ美を取り入れた初期モダニズムの傑作
と言われていますが、現在、この東京中央郵便局と大阪中央郵便局
(どちらも吉田鉄郎設計)の建て替えが検討されています。
東京駅も修復される今、この辺ではほとんど唯一の近代建築だけに
残してほしいものです。

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「広場に面した正面になる5 階建ての壁面には、辺ごとにまとまりを与えた。
具体的には、北面では、中央に窓口への大玄関を設け、
その上に大時計を配し、この軸を中心に左右対称に縦4 列に窓を並べた。
その両端には縦長の窓を縦一列に配して、そこまででひとつの完結した立面とした。
その辺と斜辺とが交わる角には、別に玄関を配し、
その両側に縦長窓を一列配して、ここでも左右対称の構成をつくっている。」
東京中央郵便局庁舎・大阪中央郵便局庁舎保存要望書より引用。

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「大口通常郵便物」と書かれている西側。
「窓の高さを上階に行くほど少しずつ小さくし、さらには4 階と5 階の間に
水平に胴蛇腹を入れて、立面全体に簡潔性を与えている。
しかも、その窓の高さはその後ろの室の機能にも対応している。
1 階は窓口業務などに対応するため高い天井(窓の高さもそれにあわせてある)だが、
最上階は吏員宿直室などにあてられるため天井高は低くてよい、
というこの建物のあり方にもうまく対応しているのである」

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向こう側に東京駅が見える。

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裏側の搬入口。外階段がかっこいい。

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郵便局裏側。
手前は竣工直前の東京ビル(2005年10月竣工、11月オープン)。

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世界コミュニケーション年を記念したポスト。

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こちらも変り種ポストだが、
「9月11日をもって使用を停止する」という紙が貼ってありました。

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中で撮影するのはためらわれたので、ガラス越しに盗撮。
大きな柱が高い天井を支えている広い窓口。

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中央郵便局はこれまで発行された記念切手の展示、販売も行なっています。
ずらっーと記念切手が並んでいて、おもしろかったので、
ドラえもんとタイムボカンの切手シートを買ってみました。

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夜景。
土曜日なのに窓口が開いていたので「あれ?」と思ってよく考えたら
ここは「中央郵便局」でした。
郵便業務は「0:00~24:00」まで。つまりは24時間ってことですね。

「東京駅の駅前にも、大阪駅の駅前にも、名古屋駅の駅前にも、
一等地に中央郵便局がありますね。
いまは一等地にあっても郵便事業にしか使えませんが、
民営化すればもっといろいろな用途に使うことができるようになります。」
小泉内閣メールマガジン 第151号より。

中央郵便局を郵便以外の何の用途に使うと言うのだろう。
建て替えて高層ビルを建てれば儲かるんだろうか。