工芸館

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東京国立近代美術館 工芸館
1910年(明治43年)
設計:田村鎮

旧・陸軍近衛師団司令部庁舎。
1966年(昭和41年)、北の丸一帯に森林公園を作ることになり一時は取り壊しが決定。
1972年(昭和47年)、重要文化財に指定、
             東京国立近代美術館の分館として利用することに。
1974年(昭和49年)、外観復元・保存工事、内部の改築工事。
1977年(昭和52年)、東京国立近代美術館工芸館オープン。

東京国立近代美術館に『ゴッホ展』を見に行ったところ、
入場まで120分待ちの行列ができており、
冗談じゃねえやと、前から行ってみたかった工芸館へ。
工芸館では、『伊砂利彦―型染の美』を開催中。
私のように『ゴッホ展』から流れてきた人も結構いました。
常設展示にトンボや甲虫をモチーフにしたブローチがあり、
「ラリックみたい」と思ったら本当にラリックの作品でした。
そのほか、四谷シモンの人形などもあり、
展示自体は小さいものの入館料200円はなかなかお得なのでは。

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陸軍技師、田村鎮の設計とのことですが、
これが本当に軍の建物と思ってしまうほどかわいい。

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入口。尖頭アーチがゴシック調。
両側の柱の飾りとか、四つ葉とかディティールがいちいちかわいいのだ。

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中央の丸い飾り部分には、以前は菊の紋章がはめられていたのだそう。

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おりしも夕立があがったばかりで空がとても綺麗で
閉館後も外でパチパチ写真を撮りまくっていたら
守衛のお兄さんが扉を閉めるのを待っていてくれました。

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こんなところも凝ってます。

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裏側。

九段下ビル

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九段下ビル(旧今川小路共同建築)
設計:南省吾
施工:上遠組
竣工:1927年(昭和2年)

九段下から神保町に向かう途中にあるボロビル。
今にも壊れそうな感じがいい味だしてます。

関東大震災の後、震災復興助成会社によって建設。
商家を募って共同ビルを低利融資で供給、出資額によって占有スパンが決まる
という計画だったが、実現したのはこのビルだけだった。

1、2階は店舗とオーナーの住居。3階は賃貸アパートして建てられたそうだが、
現在では、1階のテナント以外は使用されていないようにも見える。
古い建物が現役なのはすごいけれど、こんな今にも崩れそうな状態じゃなくて
ちゃんと手を入れて使えるようにして保護すべきじゃないのか
と思って見ていたら、改装して住んでいる人だとか、
デジタルコンテンツ製作会社のサロンや建築事務所として使われているそうだ。
そういう熱いファンがいるのもこの建物らしいところ。

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ちなみに、今川小路とは「高家今川氏屋敷の横小路」に由来する地名だとか。

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勝手に1970年頃の建物だと思っていたのだが(それより50年も古かった)
それは防護ネットで覆われたこの外観が
「60年安保」とか「バリケード」という言葉を連想させるからだと思う。

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「中根式速記」の看板が残っている。1929年(昭和4年)に中根速記学院が設立、
学校自体はまだあるようだが1979年(昭和54年)に移転。

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横から見たところ。傾いてる?

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ビルの裏側。
2002年11月頃、後ろにあった建物が解体されて今のような状態になったらしい。

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ビルの裏側アップ。空中に残るドアが不思議空間ぶりを強める。

バブル期には九段下ビルも取り壊しが決まっていたそうだが、
バブルがはじけて開発計画が宙に浮いたため生き残ったのそうだ。
そういう紆余曲折やいわくありげな感じが漂うビル。

北の丸公園

一眼レフデジカメを借りたので
ちょっと武道館でも撮影してみようと北の丸公園へ。
意外とおもしろうそうなので、奥へ奥へと歩くうちに竹橋へ。
(本当は工芸館が見たかったのだけど道をまちがえた)。

国立近代美術館パレスサイドビルといかにも
モダニズムな建物を眺めてふらふらしているうちに
お堀にひかれて皇居東御苑へ。
(門のところで「見学ですか」と呼び止められて
札を渡されましたが、無料で入場できる。)

いやー、東京に何十年と住んでますが、
江戸城跡なんて初めて見たし、
都会の真ん中に、こんな日本庭園があることさえ
知らなかったよ(小さな滝まである!)

あいにくのお天気で雨が降ってきてしまいましたが
春になったらまた来よう。
前より九段下が好きになりました。

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北の丸公園の入口となる田安門
寛永13年(1636)に再建っていつの話?
武道館に行ったことがある人は通ってるはず。

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いわずと知れた日本武道館

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科学技術館
モダンなデザインはかっこいいが木がじゃま。

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パレスサイドビルと竹橋。
竣工:1966年(昭和41年)
設計:日建設計
いかにもモダニズムな感じで心に残る建物。

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国立近代美術館
竣工:1969年(昭和44年)
設計:谷口吉郎
(息子の谷口吉生は最近MoMAのリニューアルを手がけてますね)

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竹橋付近のお堀。

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皇居東御苑にある書稜庁舎

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江戸城天守台跡。上まで登れます。

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旧本丸。広いのだ。

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桃華楽堂。1966年(昭和41年)完成。
屋根はテッセンの花弁をかたどったものだとか。

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8つある壁画のひとつ。

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洋館風の外観が素敵な楽部庁舎
しかし、柵より前へは近づきづらく遠撮。

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皇居正門石橋旧飾電燈。
なぜここにあるのかわかりませんが、ライオンがかわいい。

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本丸入口のあたりの坂。
都会に立派な石垣が残っているあたりが不思議。

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百人番所
「甲賀組、伊賀組、根来組、二十五騎組が昼夜交替で詰めていました」って忍者?


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突如現われる日本庭園。江戸時代のものだそう。

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日本庭園の中には小さいけれど滝まであるのだ。