和光(旧服部時計店)
設立:1932年(昭和7年)
設計:渡辺仁
施行:清水組
銀座は今でも古い建物がいくつか残っていますが、白眉はやっぱり和光。
四丁目の交差点でこの建物を見上げると、いつでもなんだかほっとします。
1894年(明治27年)、朝野新聞の社屋を服部時計店(現・セイコー)が買い取り、
初代時計塔として改築。
1923年(大正12年)、新ビル建設中に関東大震災が起こり、
数年後、構造を鉄筋コンクリート、外壁はテラコッタから御影石へと変更して工事再開。
1932年(昭和7年)、当時の高さ制限を使いきった100尺(約30.3m)の建物が完成。
戦後はGHQ向けのデパートとして使用され、
1952年(昭和27年)、服部時計店の小売部門が独立して和光となる。
……と、歴史を見つめてきた建物であります。
『未来の想い出』という映画で、過去へとタイムスリップしてしまう
2人の女性(工藤静香と清水美砂)が、
「今度、タイムスリップしたら和光の前で再会しましょう」
と約束する場面があるのですが、
和光って、過去への時間旅行という設定によく似合う場所であり、
「なにがあっても和光なら絶対あそこにあるだろう」という場所な気がします。
時計塔。もともとのデザインはローマ数字だったとか。
ローマ数字の方がかっこいいけど、
やっぱりアラビア数字の方が読みやすいからかしら。
ガス燈通りから見上げたところ。
ここらへんがネオ・ルネッサンス様式な感じ?
ガス燈通り側の入口。
晴海通りを挟んで反対側から見たところ。
どっから見ても絵になるのはさすが。
しかし、銀座って人と車が多くて撮影しづらい。
和光のレリーフ。
左から、貴金属を示す銀カップ、服部時計店の商号
商業の神ヘルメスを表わす蛇と杖、
同じく服部時計店の商号(2541の数字はなんの意味?)
砂時計、転鏡儀(天秤みたいなもの?)