« 西銀座ビル | Main | 大阪市中央公会堂 »

梅田阪急ビル

osaka143
梅田阪急ビル(阪急百貨店)
1929年(昭和4年)
設計:阿部建築事務所、竹中工務店

大阪に到着して最初に見に行った梅田阪急ビル。
旧阪急梅田駅コンコースの具体的な場所がわからず、
しばらく地下と地上をうろうろしました。
旧阪急梅田駅コンコースについては、保存運動も起こっていますが、
私が見に行ったとき(2006年3月)は、伊東忠太の壁画ははずされて、
両側は白い覆いで囲われていました。グランドドームも見れず。

osaka01
すでに工事が始まっている南側。
百貨店前の歩道橋が取り外され、迂回路が設置されていました。

osaka01b
こっち側はまだ営業中。
第一期、第二期と営業を続けながら、解体・新築工事が行なわれる。

1925年(大正14年)、阪神急行電鉄梅田駅(現・阪急電鉄梅田駅)に隣接した
阪急ビル(梅田阪急ビル)に阪急直営マーケットを開業。
1929年(昭和4年)、世界初のターミナルデパート、阪急百貨店(うめだ本店)を創業。
1931年(昭和6年)、第二期増築工事。
1932年(昭和7年)、第三期増築工事。
“スチールアーチリッブ(アーチ型鉄骨)”を用いた、旧コンコースのドーム空間が完成。
1936年(昭和11年)、第四期増築工事。
伊東忠太による旧コンコースのドーム空間の意匠の実施設計が行なわれる。

1971年、大阪万博に伴い、阪急梅田駅、移転。
旧コンコースは阪急百貨店の一部として残される。
旧駅跡地に阪急グランドビルが完成。
ボールト天井と電照ステンドグラスをもつグランドドームが完成。
2005年2月、梅田阪急ビルの建て替えを発表。
2005年9月13日、旧阪急梅田駅コンコースの天井装飾の公開を終了。
2005年9月14日、梅田本店南側半分の解体・新築工事に着手。
2007年秋、南側半分が竣工予定。北側半分の解体・新築工事を開始予定。
2011年春、高さ187m、地上41階、地下2階の新ビル(新梅田阪急ビル)が完成予定。
阪急百貨店(沿革)
旧阪急梅田駅コンコースを残したい…参照。

osaka02
白い覆いがかけられた旧阪急梅田駅コンコース。

osaka04
伊東忠太の壁画とシャンデリアは取り外され、新ビルに引き継がれる予定。

osaka03

伊東忠太と旧コンコースばかりがクローズアップされ、
混同されがちですが、アーチ型の旧コンコースとグランドドームは
設立した時代も設計者も異なります。
また、伊東忠太はモザイクタイルの壁画など、一部の意匠設計のみで
阿部美樹志をはじめとする人々のことも忘れちゃいけないと思うのです。

阿部美樹志
札幌農学校土木工学科を卒業し、鉄道院に。
東京~万世橋間の高架橋建設を設計。
梅田阪急ビルのほか、十三~梅田間の高架橋建設、神戸原田~三宮の高架橋、
阪急会館、西宮スタジアム、三宮駅ビルなど、阪急・東宝グループの建築を設計。

伊東忠太
旧コンコースのドーム空間は阿部美樹志が設計し、
意匠考案を伊東忠太に依頼することを阪急側に提案。
伊東は最初、中国の古典思想によって、青竜、白虎、朱雀、玄武の四神を
ドームの東西に配置しようと図案化するが、
「青龍、白虎、朱雀までは無難であったが、玄武が如何にしても面白くなく、
墓内の壁画ならば兎に角あの場所に遅鈍の亀と陰険の蛇では人に快感を與へ難い」
と、四神にかえて阪急電車の快速と威力を象徴するものとして
「龍、馬、獅、鳳(朱雀)の四動物」を選んだ。

小林一三
阪急電鉄・阪急百貨店・阪急東宝グループの創業者。
1873年(明治6年)、山梨県韮崎生まれ。
三井銀行を経て、1910年(明治43年)、箕面有馬電気軌道(現・阪急電鉄)を設立。
「乗る人がいなくて赤字になるなら、乗る客を作りだせばよい。
それには沿線に人の集まる場所を作ればいいのだ」
「乗客は電車が創造する」と、
阪急電鉄の終点である宝塚に一大レジャーランドを築き、
もう一方の終点である梅田に阪急百貨店を作り、
路線間の宅地開発を行ない、後の私鉄経営のモデルとなる。
そのほか、東京宝塚劇場を設立、日劇、帝劇を合併し、東宝を創立。
阪急ブレーブス、宝塚歌劇団を創立。
「私が死んでも宝塚とブレーブス(阪急ブレーブス、現・オリックス・バファローズ)
だけは売るな」と遺言したという。

« 西銀座ビル | Main | 大阪市中央公会堂 »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/76665/9267849

Listed below are links to weblogs that reference 梅田阪急ビル:

« 西銀座ビル | Main | 大阪市中央公会堂 »