東京ステーションホテル
東京ステーションホテル
1914年
設計:辰野金吾
東京駅の南半分を占める東京ステーションホテル。
2006年春から修復工事のため休業してしまうので、
その前にと思って泊まってきました。
正面ロビー。
ロビーから2階へ続く階段にあるシャンデリア。
元々はここにエレベーターがあったらしく、
高い天井の吹き抜け空間になっている。
現在のエレベーター。しかし、ゴトゴト音はするし、
1階から2階まで上がるのに、階段を登るより時間がかかる。
壁の赤レンガは創業当時からのもので、
黒い部分は空襲によって梁の木材が焼けて炭化した跡だそう。
ロビーに展示されている復元後の完成予想模型。
3階のドームがかつての姿に復元される。
(個人的にはドームがないほうがかっこいいと思いますが、
それは、今の姿を見慣れてしまったせいかもしれません。)
2階客室廊下。廊下の幅がなぜかすごく広い。
私の泊まった丸の内サイドのツインルーム。
窓からは、丸ビルと東京海上ビルが見える。
かつてはここから丸ビルと新丸ビルが並んでいる姿が見えたはず。
地方から来た人にとってすごく東京的な風景だったろうなと思います。
「お部屋の方が、落ちつけますわ。それに、あのお部屋のながめは、
さっきもほんとうに、あれこそ、わたしにはめずらしくって、
すぐ出るのが惜しかったくらい……。」
「灯がだいぶ消えましたのね。」と、市子は言った。
丸ビルと新丸ビルの窓明りのことだった。
さっき、村松を誘いに寄った時は、この二階の部屋に、まだ夕日の残りが、
薄くさしこんでいたが、向かいの丸ビルと新丸ビルの窓は、みな明りがついて、
その上の空は、夕雲と夕もやのさかいがないような、やわらかい桃色だった。
二つのビルのあいだに、皇居の森が黒く沈んでいた。
川端康成『女であること』
東京ステーションホテルと言えばここ。
東京駅丸の内南口を見下ろす2階の窓。
東京駅丸の内南口のドーム。
2階が廊下の窓。3階が客室。
「カフェ&バー赤れんが」。
店内はもっと広そうですが、残念ながらお休みでした。
「赤れんが」横の窓。丸ビルが見える。
3階廊下。2階と比べると「物置?」というほど狭い。
チェックアウトの時間をねらって、部屋をのぞいて見たのですが、
南口を見下ろす客室はおもしろいけど、泊まるには落ち着かないだろうなという感じ。
室内も屋根裏部屋みたいな雰囲気でした。
3階客室の窓から見た風景。
「息がつまるわ。窓がないじゃないの?」
「あんの、あんの。その窓がねえ、小母さま、びっくりしやはりますわ。」と、
さかえはベッドから立って、向うの厚いすりガラスの戸を押しあげると、手招きした。
「来とおみやす。乗車口がまる見えでっしゃろ。」
「ほんとだわ。」
市子はおどろいた。窓の金網から、乗車口が真下にながめられる。
改札口をひっきりなく人の出入りするのが、正面に見える。
思いがけぬところに、ホテルの部屋があるものだ。乗車口のドオムの裾が
八角になって、それはみな三階の客室の窓である。
「ながめても、ながめても、見あきィしまへんね。一日じゅう、にぎやかに、
人が動いてるさかい……。うちに見られてんの、だれも知らはらへんしね。」
2階宴会場前の通路。
宴会場「牡丹の間」。
宴会場受付。『女であること』ではロビーとして書かれているので
かつてはロビーとして使われていたのかも。
二階のロビイでは、正面の奥で、花婿花嫁を中心に、
披露宴の客たちがならんで、記念撮影をしているところだった。
「フランス料理 ばら」入口。
ここのビーフシチューは伝統の味として有名ですが、
時間があわなくて食べられず。
宴会場受付から南口へ降りる階段。
夜12時頃の丸の内北口。
2階の廊下から見た、夜2時の丸の内南口。
「家出娘がステエション・ホテルに泊まってるなんて、
だれもよう思わへん……。」
「うちのお部屋、三一七……。三階の内側でっせ。お部屋にすっこんでまっさかい、
小母さま、ないしょで連れ出しに来てくれはります?」
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