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三井本館

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三井本館
1929年(昭和4年)
設計:トローブリッジ・アンド・リヴィングストン事務所(ニューヨーク)
施工:ジェームス・スチュアート社(ニューヨーク)
1998年、重要文化財に指定。

1872年(明治5年)、日本橋海運橋(今の日本橋兜町)に、
二代清水喜助の設計施工で、三井組による日本初の銀行「三井組ハウス」が竣工。
三井組ハウスは完成後すぐに、国立第一銀行に譲渡。
その譲渡金で三井呉服店があった場所(今の三井本館の敷地)に、
1874年(明治7年)、「為替バンク三井組」を二代喜助の設計施工で建設。
1896年(明治29年)、為替バンク三井組を取り壊し、
1902年(明治35年)、横河民輔の設計で旧三井本館が完成。
1923年(大正12年)の関東大震災で建物内部を焼失、修復は十分可能だったが、
当時の三井組理事長、團琢磨は新しい建物を作ることを決意。
アメリカにおける古典様式の銀行建築をめざし、アメリカの会社に設計施工を依頼する。

新築にあたり團琢磨は、
「Grandeur=壮麗」なものを作る
「Dignity=尊厳」三井というもの尊厳を表す
「Simplicity=簡素」であること、あまりオーバーな装飾はつけない
という注文を出す。
結果、コリント式オーダーを用いたアメリカ風古典様式の建物が完成。
日本橋倶楽部連続講演より引用。

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アカンサスの葉の装飾を施したコリント式を採用。
柱は外壁と同じく稲田御影石で作られ、全部で22本ある。

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レリーフは、ショベル(鉱業)、マーキュリーと杖(商業)、
紡織機(生産)、調色板(美術、建築)、錨(海運)、蜂の巣(倹約、勤勉)、
歯車(機械工業)、翼(運輸)、地球儀、定規(算数)、鍬と麦束(農業)、
秤と鍵(為替、財宝の保管者)、蒸留器、試験管(化学工業)
という意味があり、三井の事業を表現している。

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太い柱が林立する様子は圧巻。これでこそ古典様式。

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ちなみに三井本館のデザインポリシーを決定した團琢磨は、
三井三池炭鉱の発展に寄与した人で、
日本工業倶楽部の理事長、日本経済連盟の会長などを勤めますが、
昭和7年、三井合名会社へ出社するために三井本館へ入ろうとした時、
血盟団のメンバー、菱沼五郎に撃たれて死亡しています。

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中央通り側。隣りは三越本店。

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日本橋三井タワー
竣工:2005年7月29日

1997年、文化庁から重要文化財の指定を打診され、検討の結果、
三井本館を保存する代わり、隣接地にタワー型の超高層ビルを開発することとなる。
“重要文化財特別型特定街区制度”の適用第一号として容積率緩和を受け、
さらに2003年に改正された“ハートビル法”の容積特例により、実質容積率は2300%。
地上39階の超高層ビルが可能となった。
9月から千疋屋総本店をはじめショッピングエリアが順次オープン。
タワー3階、30~38階にはマンダリン オリエンタル ホテル 東京が12月開業予定。
コレド日本橋とともに日本橋再生の起爆剤として注目されている。

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新館と三井本館はアトリウムで結ばれる。
タワー建設にともない、三井本館のリニューアル工事が行なわれ
6階に三井記念美術館、
4階にはマンダリン オリエンタル ホテル 東京のバンケットルームがオープンする。

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新館は現代的デザインながら、高さなど本館と統一感があり、
三越本館、三井本館、日本橋三井タワーが綺麗に並ぶ。

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私が見に行ったときはリニューアル工事と地下道路のバリアフリー工事の真っ最中。
三井記念美術館は10月8日オープン予定。
外観および、内装、建設時の写真が三井本館のサイトで見られます。
このサイトはよくできているのでオススメ。

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ライトアップのお手本のようなライトアップ。
近代建築はライトアップすると、美しさが増しますが、
三井本館は柱が作り出す影が特に綺麗。

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